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ドラゴン

よくコメントを頂く、めりさんの記事を見てふと思い出した。



あれは十数年前、私がバイトに勤しむ学生さんだった頃。
バイトで車の運転中の出来事だった。

交差点の右折レーンで信号待ちをしていた私は、隣のレーンに並んだ車両から妙な違和感を覚えた。
音楽を大音量で鳴らしている車なのだが、よくありがちなヒップホップなどを重低音で響かせているわけではない。
鳴らす音楽は、スピーカーが完全に負けていて音が割れている。
車種も二代前の角ばったマーチだ。




チャーン、チャッチャッ・・・♪




これは・・・、燃えよドラゴン




その車からは、大音量で燃えよドラゴンのテーマが流されていた。
興味を覚え、恐る恐る横目で観察してみると、フロントのドアについてあったであろうスピーカーはサイドウィンドウから外へ向けて吊り下げられている。
リアウィンドウには内側から外に向けてブルース・リーの切抜きやらなんやらが貼り付けられている。
既に私の中では「これはアブナイ人だ」と異常事態警報のサイレンが鳴り響いているのだが、極めつけは運転手だった。


上半身裸でブルース・リーを模したと思われる風体なのだ。

そして事もあろうかこの運転手、車から降りてくるではないか。信号待ちの交差点で。
車から降りた彼がとった行動は、音楽に合わせ、ヌンチャクらしきものを振り回し、



「ホァチャァァ!」



と叫んでいる。天下の往来で。

ヤバイ、助けてくれ。オレを笑い死にさせる気か。
でも笑ったところを見られたりしたら本当に殺されそうだ。


そう思った瞬間信号が青になった。しかし、右折レーンにいる私は対向車が過ぎ去るまでその場から立ち去れない。
よしんば、その先に進んだとして、ブルースリーが追いかけてきたらどうしよう?などと軽くパニクっていると、



「ブーーーッ、ブッブッブーーーッ!」



青信号なのに車から降りて暗黒舞踏を繰り広げるブルースリーもどきに、後続車両が容赦の無いクラクション攻撃を浴びせた。
ブルースリーもどきは、ものすごくあわてた様相で車に乗り込み風のように去っていってしまった。

交差点は何事もなかったかのように、普段の景色を取り戻した。



その後私は彼の姿を見かけていない。
同市の西部地区で見かけたという噂を聞いたが、それも10年以上前の話だ。



名も知らぬ彼は、今頃どうしているのだろう?

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コメント

アひゃひゃひゃひゃひゃひゃ~~~っ!!!!!

…虎徹さん~~~~!!普段の渋い文調でそんな話書かれたら…

丁度口にふくんだお刺身を、噴き出しそうになっちゃったじゃないですかっ!!!!

あるんですねぇ~~「未知との遭遇」っ!!や~笑いましたっ!!

えっと、とても地味~~~~な、「あんな事、こんな事」というウェブページを、私のブログの左上のあたりに細々とやってるのですが…そこに、この記事をリンクさせて頂いても良いでしょうか?

もしよろしければ、「夢の跡」を「愉快なお友達」に貼らせて頂いたりとか…。よろしくですぅ。

投稿: めり | 2009年7月18日 (土) 20時44分

めりさん、いつもコメントありがとうございます。

リンクの件ですが、こんなモンでよろしければ是非。
お好きなように料理していただければと存じます。

この手合いのネタには事欠かないのですが、文章化するとなるとなかなか難しいですね。そのとき受けた衝撃をなかなか表現できません。

レギュラーのネタが切れたら、また何か思い出してみます。

投稿: 虎徹 | 2009年7月18日 (土) 22時17分

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